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アーロンチェアの開発

デザイナーのビル・スタンフがアーロンチェアが誕生するまでを紹介します。
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アーロンチェアの調節方法

最高の快適性とサポートを得るための調節方法と座り方
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受賞歴

  • アーロンチェアが、米国工業デザイナー協会および『ビジネスウィーク』誌が選出する「Designs of the Decade(デザイン・オブ・ザ・ディケード)」オフィス家具部門で金賞受賞。
    2001

フォトギャラリー

その魅力

プロダクトストーリー

問題を自分のものとしてとらえ、それを出来る限り深く突き詰めてみる。 ビル・スタンフは、この信念を、ハーマンミラーとのプロジェクトすべてに対して取り入れましたが、この革新的なアーロンチェアほどこの信念を完全に体現しているものはないでしょう。 ドン・チャドウィックと協力し、スタンフは長時間椅子に座っている人たち—高齢者施設にいる高齢者たち—に意見を聞き、チェアが人にとってどうあるべきかということを考えることから始めました。 スタンフとチャドウィックがこうして学んだことをワークチェアに取り入れた時に、まさに人間工学における革命が始まりました。

座っているときの人間の体の動きを自然にサポートし、通気性、全ての人にフィットするサイズ、環境に配慮したデザインで、アーロンチェアは、オフィスチェアに対する今までの概念を完全に覆しました。 それは、布張りされていませんでした。 パッドも入っていませんでした。 これは、高度な仕事をしている時間とカジュアルに同僚と交流している時間が入り交じった、仕事における「複数の動作」に対するデザイナーのアイデアから生まれたもので、技術的側面と社会的側面がますます絡み合っている現代の職場での状況をまさに予測したものでした。

パフォーマンス

アーロンの素材すべて、そしてメカニズムのすべてが、シーティングに対する芸術および科学の一歩先を行くものです。 張地とウレタンフォームを、通気性のあるメッシュ素材のサスペンションに置き換えた最初のオフィスチェアであるアーロンは、革新的なペリクルを座面と背もたれに使用することで、体圧が集中したり、熱がこもるのを防ぎ、体重を均等に分散します。

キネマットチルト

スタンフとチャドウィックは、機能面においても、チェアは座っている人と一緒に可能な限り自然かつ簡単に動くべきだと考えました。 そうしてこのアーロンチェアのキネマットチルトが実現しました。 この特許を取得したメカニズムにより、座った人の体が腰、膝、足首を軸に自然に動くと共に、スムーズにリクライニングできます。

ポスチャーフィット

あまり目立ちませんが重要な役割を果たしているのが、発表当初のアーロンにはなかった機能のポスチャーフィットです。ポスチャーフィットは、前かがみになるのを防いで背骨をまっすぐに保ち、骨盤が自然な前傾姿勢を保つために背骨の下部、仙骨部を適切にサポートします。

デザイン

アーロンの機能性は、実際にチェアに座って体験してみたいという気にさせるその個性的な外観からもうかがえます。ペリクルサスペンションのメッシュから、チェアの曲線形にいたるまで、アーロンは、全く独自の美を生み出し、使う人のことを第一に考えてデザインされました。 だからこそアーロンチェアは、販売が開始される前に既に、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品に加えられたのです。

アーロンチェアは、高機能な素材を取り揃え、クラシック、タキシード、ウェイブの3種類のペリクルのパターンから選択でき、すべてのパターンで明るい色からダークな色までニュートラルカラーを取り揃え、様々な好みとインテリアに対応できるようになっています。

Aeron Chairs

家族

アーロンチェアの革新的なデザインとその機能はワークチェアだけに留まらず、ワークスツールやサイドチェアなどの、さまざまな種類のシーティングにまで及んでいます。

デザインストーリー

ハーマンミラーは、まったく新しい種類のチェアを開発したいと考えていました。 そこで、革新的なエクアチェアを開発した2人のデザイナーに、白紙の状態からアイデアを練るように依頼しました。 大胆な挑戦でした

「アーロンチェアのデザインで鍵になったのは、綿密な議論により、いかに『他とは違う新しい形』を生み出すかということでした」と語るのはデザイナーのビル・スタンフ。 「人間工学のアプローチによって設計された競合他社のチェアは、みな似たような形になっていました。 ですからアーロンチェアでは、いかに差別化を行うかがデザイン戦略の大きな位置を占めていたのです。この差別化という要素こそ、アーロンチェアが今も人気を集め続けている一つの要因。最も重要とは言わないまでも、大きな要素であることには間違いないでしょう」

「人の身体は直線からできてはいません。有機的な形です。 私たちは見た目も触った感じにおいても、有機的で、曲線的な、人間というもののメタファーとなるチェアを設計したいと考えたのです。 ですからアーロンチェアには、直線のラインが一つもありません」

クッションがないことについて、スタンフはこのように説明しています。 「背もたれと座面に使用したメッシュ素材のペリクルも、考え抜かれたデザイン戦略の産物です。レースや網戸などが、空気、光、水分を通すのと同じように、肌に自由な空気の流れを届けるということを透け感のある外観でも表現しているのです。 製品設計の視覚的要素として透明感を取り入れたアーロンチェアは、同じく透明な外観を特徴としたアップル社のコンピュータiMacに先駆け、建築や技術分野での透明性のあるデザインに歩調を合わせたものでした。 透明性はデザインの主要な傾向となっています。 それは製品に採用されているテクノロジーを明確にし、その内部構造を理解する助けとなるとともに、周囲の環境を邪魔しないようにする効果があるからなのです。 そして、アーロンチェアもうるさく自己を主張せず、置かれた環境にスムーズに溶け込みます」

アーロンチェアのデザインは、リサーチの結果や専門家の意見によって完成され、効果が立証されました。

当時ベストとされていたワークチェアと比較して、快適性のユーザーテストを多数行いました。また、人間工学の第一人者、整形外科の専門家、理学療法士などがフィット感や動き、調節機能や使いやすさを評価しました。社内の設計チームが、肘から手首までの長さや膝までの高さなど、人体のあらゆる部位を計算できる特別に開発された計器を使い、全国的な身体計測調査を実施。

そしてリサーチチームは、チェアの座面と背もたれに使うペリクル素材について、体圧の分散状況、熱と湿気の放散状況を確認するため、圧力マッピングと熱試験行いました。

さらに、特別に設計された測定機器を用いて、ユーザーの体格とチェアのサイズの好みとの相関関係を調べる実地調査も行いました(Dowell 1995b)。 測定の対象となった224人は男女半々で、米国の人口における身体のサイズの分布を、ほとんどの測定値でほぼ正確に反映するサンプルグループでした。この調査では、身体のあらゆる部位に関する計測値のうち、特に身長と体重とチェアのサイズの好みとのあいだに高い関連性があることが明らかになりました。 この関係性が非常に顕著だったため、アーロンチェアは3サイズを用意し、いずれかを選べるようにしたのです。

ジョージ・ネルソンのデザインを思わせる軽やかな形状。チャールズ・イームズの作品を彷彿させる有機的なフォルム。さらにかつて彼ら自身が設計したエクアチェアの、無駄をそぎ落としたアスリートのような外観。そうしたハーマンミラーの美の系譜を受け継ぎながらも、チャドウィックとスタンフがデザインしたアーロンチェアは、最終的にまったく独自の姿となりました。 そのユニークな形状がチェアの目的や用途をはっきりと表現するとともに、パーツの構成や結合状態も確認できます。 また表面のわずかな透明性と反射性が、軽やかな印象を生み出しています。 アーロンチェアはなによりもそれを使うユーザー自身、そして周囲の環境とも一体化するチェアなのです。

さらに部品の多くがリサイクル素材でつくられ、耐用年数が長く、部品の交換やリサイクルも簡単に行うことができます。 こうしたアーロンチェアの設計は、まさに当初の狙い通り、考え抜かれたものといえるでしょう。

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